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関西英語教育学会 第42回KELESセミナーご案内

プログラム

テーマ:英語音声指導:音韻習得から識字支援まで

12:50-13:00  開会のことば・主旨説明
13:00-14:20  「日本人による英語音声の知覚・発声と学習:日本人は英語音声の知覚・発声がなぜ難しく,どう学習すべきか」
湯澤正通 先生(広島大学)
14:40-16:00  「文字から音へ,音から文字へ」
川崎眞理子 先生(関西学院大学)
16:00-16:40  講師同士のセッション・フロアとのQ & A セッション
16:40-16:50  閉会のことば

講師紹介・講演概要

湯澤 正通(広島大学)

【プロフィール】

1992年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了(博士(心理学))
現在 広島大学大学院教育学研究科教授
専門
教育心理学,発達心理学,学習心理学
最近の主要著書
湯澤美紀・湯澤正通・山下 桂世子・藤堂 栄子『ワーキングメモリと英語入門: 多感覚を用いたシンセティック・フォニックスの提案』北大路書房 2017年8月
湯澤正通・湯澤美紀『ワーキングメモリを生かす効果的な学習支援: 学習困難な子どもの指導方法がわかる!』学研プラス 2017年7月
湯澤正通・湯澤美紀(編著)『ワーキングメモリと教育』北大路書房 2014年
湯澤正通・湯澤美紀『日本語母語幼児による英語音声の知覚・発声と学習: 日本語母語話者は英語音声の知覚・発声がなぜ難しく,どう学習すべきか』風間書房 2013年
湯澤美紀・河村 暁・湯澤正通『ワーキングメモリと特別な支援: 一人ひとりの学習のニーズに応える』北大路書房 2013年

【講演概要】

日本人はどうして英語が苦手なのでしょうか。英語を勉強したことのない中国人幼児と日本人幼児に,英単語を聞かせて,聞いたまま反復してもらいます。すると,中国人幼児の方がずっとよくできます。しかし,最初の音は何でしたかと聞くと,日本人幼児の方が正しく答えられます。このことは,中国人大学生と日本人大学生を比較しても同じです。日本人は,日本語の影響のため,英語の音を細かく分析するため,英語の音をなめらかに聞き取ることができません。英語の音を細かく分析すると,ワーキングメモリに過大な負荷がかかります。例えば,”send”は1音節なので,英語母語話者は一つの情報のまとまりとして知覚します。それを「センド」と知覚すると,3モーラの3つの情報のまとまりになります。当然,1つよりも3つの情報のまとまりの方がワーキングメモリに負荷がかかります。こうした英語音声の分節化を日本人幼児が行っていることを示した研究データを紹介します。そして,そのような分節化が,6年以上,英語を学習した日本人大学生においても見られることを示します。

川崎 眞理子(関西学院大学)

【プロフィール】

プロフィール:関西学院大学・人間福祉学部教員,関西学院大学大 学院修了,言語コミュニケーション文化学博士。研究分野はディコーディング,早期英語教育,シャドーイングや音読時の脳内処理や英語学習への効果のしくみ。児童~ 成人対象の英語教室を自営しながら,企業で教えていましたが,長年蓄積した疑問点を解明したくて大学院に進学し,そのまま研究にはまりました。2013年から小学校でのモジュール学習の支援をさせていただき,観察や研究 の必要性を再認識できました。英語学習が苦手になってしまった人に寄り添うこと,今後できる限りそのような人を生み出さないようにすることが私に与えられた役割です。 著書:門田修平・鈴木寿一編著「英語音読指導ハンドブック」(2012)大修館書店のフォニックス関連部分

【講演概要】

「これどう読むんですか」と尋ねられたことはありませんか。その単語の綴りが基本的規則に従っていたりしませんか。逆に,完全に不規則な綴り(読み方)の単語を,規則を適用して読んでしまった人が,笑われたり,叱責されたりした場面に遭遇したことはありませんか。自分の力で未知の文字列を音にできる学習者を育てるためには,文字との豊富な接触経験と,文字と音の対応知識が不可欠です。日本語の識字と英語の識字との相違点を踏まえて,効果的な学習・指導方法を考えたいと思います。

KELES 第42回セミナーについて

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