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会長挨拶

「関西英語教育学会(KELES)会長2期目を迎えるにあたって」

関西英語教育学会会長 泉 惠美子(関西学院大学)

 梅雨の真っただ中,6月11日,12日にKELES 2022年度研究大会が開催されました。多くの会員の皆様にご参加いただき,時間も忘れる魅力的なプログラムやご講演に胸躍り,明日からの指導や評価に多くの示唆を得ることができました。ご多忙の中,誠心誠意ご準備くださった講演者・発表者,そして企画・運営にご尽力いただきました幹事をはじめ,関係各位に心よりお礼を申し上げます。また,会員総会にてKELES会長として再任され,身が弾きしまる思いが致しております。未熟者ながら責務を果たすべく精進して参りますので,会員の皆様の温かいご支援・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

 なお,任期満了でご退任されました橋本健一幹事長兼副会長をはじめ,水本篤紀要編集委員長,幹事,理事,紀要編集委員の皆様,4年間KELESのために,多くの時間と労力を割いてご奉仕いただきましたことに敬意と感謝の意を表したいと存じます。本当に有難うございました。またご多忙の中,新たにご就任されました役員の皆様にも心よりお礼を申し上げます。コロナ禍がまだ終息しない状況でオンラインでの学会運営が続いておりますが,一日も早く会員の皆様と対面でお目にかかり,笑顔で語り合えますことを願ってやみません。

 現在は,コロナ禍に加え,地球温暖化や自然災害,人間が始めた戦争で世界が不安に陥り,大切な命が失われております。英語教育は,人権,平和,環境,国際理解,科学技術,コミュニケーションなどをテーマに,人格形成,世界の平和と人類の幸福などを追求する教育の一翼を担うものであると存じます。このVUCAの時代における将来を見据えた教育の在り方を考え,OECD Education 2030の学びの羅針盤でも示されている学習者の幸せwell-beingの実現のために,学習者が主体となり,周囲の人々と関わりながら,自ら粘り強く学び続けることができる支援をすることが教育者である我々の使命でもあると考えます。

 今年度から高等学校で新学習指導要領が導入され,小中高一貫した英語教育改革の本格実施となりました。一方,教育DXが進む中GIGAスクール構想により,一人一台端末がほぼ実現し,デジタル教科書も導入されました。しかし,「誰一人取り残すことのない公正に個別最適化され,創造性を育む学びの実現」のためには今後多くの実践や研究の積み重ねが求められるでしょう。理論と実践の融和と往還や実践研究の広がりと深化などが必要です。

 KELESは,研究大会,年3回のセミナーやワークショップ,卒論・修論研究発表セミナー,学会誌『英語教育研究』,KELES Journalやニューズレターの発行をはじめ,これからも英語教育学の構築をめざし,持続可能で創造的・発展的な学会として,皆様の教育実践や研究の交流と発表の場となり成長のお手伝いができればと願っております。Kansai English Language Education Societyの頭文字であるKELESは,We love Knowing, Engaging, Learning, Empowering and Studying.でもあるのではないかと存じます。ビジョンと先見性を持ち,行動の人でもあったWalt Disneyは,“First, think. Second, believe. Third, dream. And finally, dare.”と述べています。皆様がそれぞれの場で仕事に誇りと喜びを持ち幸せな日々を送られますよう,そして英語教育を通して思考を深め,夢を語り,自分を信じて行動できる人を育てることができますよう,互いに尊重し楽しく学び合える温かい学会であり続けたいと存じます。引き続きよろしくお願い申し上げます。

(2022年7月25日発行ニュースレターより転載)