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会長挨拶

“Help Us Help You Teachers Help Your Students Smile.”

関西英語教育学会会長 村田 純一(神戸市外国語大学)

 

今年の研究大会は、史上最高の参加者で大変盛り上がりました。

これも前会長の吉田信介先生をはじめとする、KELESの役員、事務局の皆さんの尽力の賜物であり、深く敬意を表したいと思います。そのような中、私のような健康だけが取り柄の浅学非才の人物が畏れ多くも本学会の会長として務めさせていただくことになりました。本当に微力ではありますが、皆さんのご協力をいただきながら、会長としての役割を果たすため、自分なりに精一杯努力する覚悟ですので、どうかよろしくお願い致します。

さて、ご存知のように、現在、学習指導要領の切り替え時期にあたり、昨年の小学校の「外国語活動本格実施」、今年の中学英語の「週3時間から4時間へ」、そして、来年の高校の「英語の授業は英語で」という明治以来の英語教育の歴史の中でも大きな転換期と言えるかもしれません。またこれは多くの国民の、あるいは経済界の英語教育への大きな期待の現れと言えることで、本学会としてもそれなりの対応が必要とされていると言えるでしょう。

一方、私の耳に入って来る現場の教師の皆さんの声の中でもっとも深刻なのは、過重な労働条件です。特に中学校では帰宅時間が10時、11時が普通ということです。会議が夜の7時半に設定されるのも当たり前で、その後に翌日の授業の準備を行うといいます。この四月に新卒で中学校に赴任した先生も無理がたたって寝込んだというということを聞いて、このまま見過ごして良いことなのか本当に疑問です。

しかしながら、このような労働条件の是正は本学会の役割ではありません。では本学会にできることとは何でしょうか。本学会の規約を見ますと、その目的として「英語教育及びその関連領域における理論と実践の研究に努め、会員相互の連携・交流を図り、広く英語教育研究の発展に貢献すること」とあります。現場の先生方の限られた授業の準備時間を効率よく使って、生徒にとって、より良い授業を提供できるようにお手伝いすることが、本学会の目的であり、使命であると考えます。

そして、その目的をさらに具体化すると、「英語教育の理論と実践の研究に努め」の部分は、研究大会や地区セミナーなどいままでKELESが行ってきた研究成果の現場への応用や優れた実践報告からの学びをさらに発展させることでしょう。「会員相互の連携・交流を図り」の部分はいかがでしょうか。学会などでの交流も勿論ですが、各先生方が作られた様々なプリント類(予習プリント、単語テスト、Oral interactionのスクリプト)の共有なども考えられます。CNNやBBCなどの最新のビデオニュースのスクリプトを書き起こしたものを共有することなどはいかがでしょう。英作文の添削例なども役立つのでないでしょうか。それらをKELESのホームページにアップしたり、発刊予定のKELES JOURNAL(仮称)などを通して会員相互の連携・交流を図ることが考えられます。しかしながら、これらは私の思いつきでしかありません。会員の皆さんの要望を掘り起こし、そこからスタートすべきでしょう。

“Help us help you.” これは、元会長をされていた沖原勝昭先生がKELESのある会での学会員の皆さんへ仰った言葉です。「どうか皆さんのお手伝いをするため、(何が必要なのかなどを言って)私たちの学会を助けてください。」という意味かと思います。これを使わせていただき、(少し長いですが)会員の皆さんへの要望と会長としての決意表明とさせていただきたいと思います。

“Help Us Help You Teachers Help Your Students Smile.” 学会員の皆さんの声をもとに、学会として、皆さんの力となり、そして、それが皆さんの生徒さんの笑顔を引き出す授業実現につながること目指したいと思います。生徒の笑顔は本当に良いものですよね。

(2012年07月10日発行ニュースレターより転載)